垣花昌弘
日産自動車が下請け業者との取引で一方的に支払代金を減額していたとされる問題で、丸山達也島根県知事は13日の定例記者会見で「取引停止という鉄砲を持って『金出せ』と言っている。強盗と同じ」と批判した。
公正取引委員会によると、日産は2021年1月~23年5月、自動車部品を製造する36の下請け業者に、総額約30億円の減額を求めていた。日産は業者に減額分を返金したという。
丸山知事は「利息を付けて返さなきゃだめ」「3年より前には(減額が)なかったか確認したのか」と疑問を呈し、「経済取引上の強盗だと思う。弱い立場の人間を取引停止で脅している」と発言。「こんなことで中小企業まで賃上げが波及するわけがない」と机をたたいて怒りをあらわにし、「直してもらわないと島根県内の中小企業にお金は回ってこない」と述べた。
さらに、「払うべきものを払わないというのはやっちゃいけないこと。親から習わなかったのかというレベル」「(漫画「ドラえもん」でのび太をいじめる)ジャイアンどころじゃない。たちの悪さが」とこき下ろした。
丸山知事は、指定管理者などの従業員の賃上げにつなげるため、新年度予算案に指定管理料などを増額する事業に7億円以上を計上。労使の団体や行政のトップらが意見を交わす2月の県政労使会議でも「大企業の優越的地位の乱用を受けていて賃上げ原資を転嫁させてもらえない企業が、賃上げできるわけがない」と発言するなど、賃上げには関心が高い。(垣花昌弘)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル